飛んでけチョコレート


「これ、食べてもいいー?」

ん?何ですと?
またおかしなこと言ってる。

『川に投げたから濡れてません?』

そりゃそうでしょ!

「大丈夫!落ちる前にキャッチしたから!」

えへっん!とでも聞こえてきそうな程、
自信満々で彼はそう言った。

そう…ですか。

『まぁ、どうせ捨てる物なんでどうぞ。』

どうぞどうぞ。
お腹にお納め下さい。

「やったー!じゃあさ、とりあえずあそこに座ろう!」

そう言って手招きする。
え?私もですか?

「早くー!」

早くこっちへ来いと催促してくる。
ハイハイ。犬みたいな人だな。

ん?私が向かう視線の先には本物のワンちゃんがいる。
尻尾をフリフリしている。
散歩中だったんかい。
お利口だな。ちゃんと待ってたんだ。

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