運命の恋、なんて。
「あの…」



戸惑っていると、そっと腕の中に包み込まれた。



うわぁ…。



ドキドキする。



さっきの勢いのあるハグとは違って、ゆっくりと腕の中に入れられた感じ。



ドキドキするけど…なんだか、ホッとする。



なんだか懐かしいような、不思議な感覚。



「もっと、俺のこと好きになって」



そんなこと言われなくても、いっぱい好き…。



応えるように、ギュッと抱きついた。



しばらくそうしていて、ふと顔を上げると八雲くんと目が合った。



ドキッとするような、優しい眼差し。



見つめ合っていると、顔が少しずつ近付いてきたから…あたしはそっと、目を閉じた。



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