運命の恋、なんて。
「明日…会える?」




『ん、いーよ。どこで会う?』




よかった…断られたらどうしようかと思った。




「八雲くんの家に行っていい?」




『おう。久々に、一緒に帰るか~』




その提案が嬉しくて、テンションが上がる。




「うんっ!放課後、連絡するね」




『おっけ~、じゃ、おやすみ』




電話を切る前に、確認しておきたいことがあった。




「ねぇっ…スマホのピアス…外してよね」




そう言うと、一瞬間があった。




即答じゃないことに、不安がよぎる。




『うん』




単調な返事だけが返ってきた。




さっきまでの楽しいやり取りが、まるでウソのように静けさが漂う。




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