運命の恋、なんて。
「これっきりにしたかったから。さっき、告白された」




「えっ!」




「断った。彼女いるし…」




ふたりも、だよね。




ツッコミたいけど、そこは言わずにいた。




「かわいい子だったのに…惜しくないの?」




碓井くんって、そういうキャラな気がして仕方がない。




女にだらしなくて、浮気癖があって…。




「惜しい?全然。好きな子としか、付き合う気ないしな」




全然説得力ない…。




そんな顔をしていたみたいで、ぷっと吹き出された。




「ま、俺が言うのもアレか…」




「そうだよ…ノンちゃんのこと、そろそろ真剣に考えて欲しいな。振るなら…ハッキリ振るとか」




言ってて、矛盾してるなと思った。




あたしは昨日、八雲くんに振られたくなかった。




他の子に気持ちがあるってわかっていても…すがりついてでも、一緒にいたいって…そう、思っていた。




そんなあたしが、ノンちゃんの恋愛をどうこう言う資格なんてないはず。



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