運命の恋、なんて。
「ちょっと、この子と話したいから。ごめん、先に学校行ってて」




碓井くんはアッサリ女の子を追い返してしまった。




「よかったの?」




「うん、つきまとわれてただけだから」




…すごい言い方するよね。




すごく楽しそうに話してたのに。




「今の子が、彼女なの?」




「あっ、さすがにノンちゃんから色々聞いてるよな。けど、今の子は違う。同じ学校の子」




そうなんだ、ただの友達…。




「まさか、碓井くん…また浮気してるの?」




ヤスくんが言ってた。




碓井くんは、平気でそういうことをする人だって。




「いやっ…そーいうつもりはないけど。そう見えた?」




「ちょっとだけ…だって、ここ通学路じゃないよね?コソコソ会ってるように思えたよ」




「ハハッ、まあ…そうなるかな。朝、呼び出されて…。今の子が、この近くに住んでるんだって」




「そうなんだ…ここまでわざわざ来たんだ?」




つきまとわれてたって言いながら、そういう優しさはあるんだね?




モテ男の心理は、不可解。




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