CURRENT
「イヤ、本気だけど」
「話したこともないはずだけど」
「確かにそうだけど、それでも好きになるんだよ」
「……結局、見た目ですか?遠慮します」
どう考えても本気に思えなくて振ったはずなのに、なぜか笑われた。
「やっぱり、梨沙がいいわ」
「そう言われても、私は嫌です」
きっぱり断って、その場を離れようと背を向けた。
「覚えとけよ。
俺は絶対、梨沙を手に入れるから」
その言葉に振り返ることなく、立ち去った。
だって、今日で卒業。
明日からもう逢うことはないというのに、どうやって手に入れるんだ。
その言葉を信用することなく、私は大人になった。