CURRENT
「あの……ご迷惑をおかけしました」
それでも、この人が面倒を見てくれたことに変わりはない。
お礼は言うべきだろう。
「別に、俺も助かったし。あの女から逃げる口実が出来て」
あの女?
……あー、沖田陽子のことか。
この人も、にこにこしていながらもうんざりしていたのか。
って、ちょっと待って。
そうだ、この人は彼女がベッタリしていたはずだ。
他の女も男も寄せ付けないぐらいに。
なのに、この人は私を連れて帰っている。
「あのー、つかぬことを伺いますが、私はこっそり連れて帰られたのでしょうか?」
そう聞いたとたん、彼はニヤリと笑う。
「イヤ、堂々と。それも、お姫様抱っこで」
「はぁ!?」