CURRENT
彼の言葉に、つい大きな声が出てしまった。
堂々とだけならまだしも、なぜお姫様抱っこなんだっ。
「だって梨沙、眠っていたし、抱き抱える方が早いじゃん」
すごくもっともらしいことを言っている。
そして、どさくさにまぎれて呼び捨てにするなよ。
イヤ、そんなことよりも、あの子の目の前で堂々と私を連れて帰るって……睨まれるの決定じゃん。
菜月は、何で止めてくれなかったのかなぁ。
「平山さんは、俺の味方だからな」
私の心の声に反応するように言う。
けど、まったくもって意味が分からない。
菜月は、私の味方ですっ。
「それより、いいの?時間」
「え?」
そう言われて携帯を確認すると、もう7時を回っていた。