ハウトゥ・シナプス
「……甘党ですね。顔に全然似合わない」
「うっせえな分かっててミルクティー買ってきたんだろうがよ! 手ぇつけてねえから飲めよ黙って」
「まあそう熱くならないで」
「ッカつく!」
ムカつかれた。まったくすぐ切れるんだから。うるさい。
とりあえずいちごミルクはありがたく貰っておいて、彼が蹴って寄越したもうひとつの椅子に腰かける。本当に態度が悪い。
素直にストローを吸いながらもこっちを睨みつけてくる彼はグルグル威嚇しまくるネコのよう。やりずらい。
机を挟んで椅子に座って、向かい合わせ。
壁も天井もない屋上で清風に仰がれて、違った制服を身にまとうふたり。
ふたりの雰囲気に似合わないからっと晴れた青空が澄んでいて、なんだか滑稽だ。
「……いい天気ですね」
カラスが頭上を通過するのと、彼がストローから口を話して怪訝な顔をするのはほぼ同時だった。
片脚を折り曲げ椅子に立たせてそっぽを向きながら座っていた彼は、私の声を聞いてから膝を倒してこちらに向き直る。