キミのバスケを守りたい



「そうだったんですか。早く復帰できるといいですね。



お大事にして下さい」



……思ったことは聞けなかった。



だけど、この人と話せるなんて思いもしなかったから良かったと思う。



「ありがとな。悔しいけど、この経験は怪我をした俺しかわからないことだから



外から見て俺だったらあのピッチの中でどうやってプレーするか考えたりしながら



普段ピッチに入ってたらできないことを見つけて



それを武器にして1日も早くピッチに戻ってやる!って思ってる。



だから、怪我をしてしまった俺の過去もきみが何か抱えている過去も今となっては決して変えられないけど、



それでも今と未来は自分の努力でどうにだって変えられるから……



お互い頑張ろうな」



「……はい!」



俺は杉山先輩の言葉が自分の心に打たれながらもやっとの思いで返事をした。



初対面なのに、いきなり励まされてしまった。



杉山先輩の言葉が何度も頭の中で繰り返されて止まらない。



一度軽く頭を下げると俺はグラウンドを後にした。


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