こちら、私の彼氏です
彼の気持ちを知ってしまった
「飲みすぎた……」

私は右手で口もとを抑えながら言う。
たぶん、顔は蒼白に近い。




時計を見ると適度な時間だったので、どちらからともなくそろそろ帰ろうか、となったのだけれど、そう言って立ち上がった瞬間に、私はめまいがして、ついでに軽い吐き気に襲われた。すぐにその場に座りこんで、そのまま気持ち悪さで動けない。



「大丈夫か?」

伊山はそう心配してくれると、すぐに店員さんを呼んで、水を持ってきてほしいと頼んでくれた。


吐き気はしたけど、実際に吐くほどではなかった。コップに入った冷たい水を飲むと、しばらくしたところで結構よくなった。


それでも、時計を見ると結構時間が経ってしまっていた。



伊山は……その間、文句のひとつも言わずに、ずっといっしょにいてくれた。
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