E・N・M・A~えんま~
途端に、忘れていた痛みがぶり返してきて、ワタシは太股を押さえてうずくまってしまった。
なんで?!
ヤツがいないというのに、なんで痛いの?!
ズキズキと脈打つ白竜の痣のあたりを手でさすったり押さえたりするワタシに、
「…千夏?どうしたの?!」
と母親らしく心配して、ワタシの肩に手を置いた。
「ーー千夏?もしかして…鍵」
母が何かを言いかけたようだったけれど、ワタシはあまりの熱さと痛みに声を出す事まで困難になってしまった。
いったいなんなの?!
助けて…!!
脂汗がこめかみを伝っていくのを拭うことさえ出来ずに膝をついて、細かく呼吸をするうちに、何かの気配を感じて、意識までなくなる寸前のところだった。
「千夏、大丈夫か?」
ワタシの『白竜』に、
ぴたりと寄り添う黒い、竜ーー。