E・N・M・A~えんま~
自分の身を守るように無意識にかばっていた手を、だらりと両脇へだらりとさせる。
閉じたまぶたの裏側に、愛してやまないあの人の、怒ったような…それでいて優しい朱色の瞳を見た気がした――。
「千夏!!」
と、なぜか懐かしい声まで聞こえたような――。
相当、重症だ…。
幻聴が聞こえるだなんて、どうしようもない。
なんて愚かなんだろう。
「おい、千夏!!」
またさらに大きくなる叫び声に、驚いてワタシは目を開けた――------…。