E・N・M・A~えんま~


空気が凍りつく――とはよく言ったものだけれど、まさにこの場にふさわしい言い回しだ。



ピリピリとした、言葉では言い表せない空気が包み込んで、息をするのも苦しいくらいだった。



「『出ていけ』とは随分だな、シュウ」



表情は変えないものの、閻魔のまとっているオーラが朱色に燃えているように見えた。




「そう?意外と親切な気持ちの表れでもあるんだよ。



ねぇ?千夏」



そこでワタシに視線を向ける。



……ワタシに話をふらないでほしい!




ワタシはひたすら黙り込んだ。


ワタシには何も言うことなどないから――。






いや、何も言えないんだ――……。



< 325 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop