映画のヒロイン*短編*








無駄な運動神経の良さ―――それはこいつがモテる要因でもあり、私にとって良いことはない。


大体小学校のとき、背が低かったこいつに誰も見向きもしなかったくせに成長期に入った途端、こいつの良さに気づきやがって。


こいつのどこが好きになるのか―――それはすぐに何個も思いつく。


分かってる、全く興味がない映画を文句を言いつつ最後まで付き合ってくれたこと。


分かってる、こいつが良い奴だなんてもう随分前から。


誰に言うでもない文句を垂れ流す私は相当可愛くない。



「…本当に迎えに来てもらえたらな」



ため息混じりの言葉は私の本音だ。


迎えに来て欲しい相手なんて決まりきってるけど。






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