真っ白のラブレター


放課後、穂風は校門で歩を捕まえると、二人は学校の裏手にある公園に向かった。

そこは、ブランコと滑り台しかない小さな公園だが、よく恋の告白に使われる場所だった。

この公園に呼び出されるということは、告白されるということと同じ意味だった。

穂風もわざとその場所を選んだのだ。
しかし、そういうことに疎い歩はその意味に全く気がついていなかった。

幸い、今日は先客がいない。
そこで、穂風は意を決すると、鞄の中から取り出した封筒を歩に手渡す。


「はい、これ」

「なんだよ」

「私からのラブレター」


歩はハッとして、穂風の目を見つめる。
そして、ゆっくりと手紙を受け取った。

淡い黄色の無地の洋封筒は、表も裏も何も書いていない。

「ねえ、開けてみてよ」

「いいよ、後でゆっくり読むから」

「そんなこと言って、どうせまた洗濯しちゃうんでしょ」

「するわけないだろ!」


< 102 / 108 >

この作品をシェア

pagetop