ダントツ!!16番人気の翔馬くん 2ndステージ
『あのさ…』


『へっ?』


おっと、話の途中だった。


俺は小さく呟く翔馬の声に耳を傾けた。


『俺…っていうか、如月?あいつさ、“処女”…みたいなんだ。だから…』


『はい?』


口ごもってしまった翔馬を見つめながら、俺は大きく目を見開いた。


『“処女”…って、そりゃ良かったじゃねぇかっ!!お前、アイツの初めての男とか、嬉しくねぇの?』


『いや…それは嬉しいけど…』


『けど…?』


俺は首を傾げながら問い返した。


すると、はぁっとため息をついた翔馬はかなり言いにくそうに口を開いた。

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