ドラマチックSボーイ




「いえ。俺が起こしますね。」


さっきまでの騒がしさが消え、

まるで幽霊が入ったかのように
物音立てずに誰かが舞の部屋に侵入した。







―――――…



「シーズカちゃん♪」

「あ…舞ちゃん…。」



教室の隅でうずくまる友達を、
私は見逃したりなんかしない。


「くそ…っ、バケモノだぜ…」
「まだやられたい?」


私の足元でノビているヤツらを上から見下ろし睨みつける。


こいつら…またシズカちゃんをいじめて…。



「もう泣かないでよ、シズカちゃん。」

「う…っ、ありがとう…

―――舞。」



え…。


突然伸びてきたシズカちゃんの手を
目で追いかける。

その先は…私の頬。





< 45 / 257 >

この作品をシェア

pagetop