君の消えた青空にも、いつかきっと銀の雨

 そしてお昼からダラダラ食べ続けているお粥に口をつけて、イオン飲料水を飲む。

 中途半端な味付けのベチャベチャした塊りをモソモソ噛んで、甘ったるい飲料水で喉に流し込んでいるうちに、胃がムカムカしてきた。

 別に、まずくて吐きたくなったわけじゃない。

 ……いや、まずいのは間違いなくまずいんだけど、もういいやそんなこと、どうでも。

 なんであたしが、こんなに苦しまなきゃならないの?

 私や凱斗が、なにか悪いことをしたわけじゃない。

 犯罪を犯したわけでもない。

 亜里沙の言う通り、入江さんの首を絞めたわけでも、刺したわけでもない。

 一方的に入江小花っていう世界に、こっちが干渉されてしまっただけ。

 入江さんって世界の糸が絡んだだけなのに。

 望んだわけじゃないのに、勝手に糸がもつれてしまった。

 自分の糸は自分の意思で動かせるけど、他人の糸は、他人の意思で勝手に動くものだから。

 そんな2本の糸が重なり合ってしまったら、もつれるに決まってる。

 この世は人の数だけ、その人の世界が……糸が溢れかえっている。

 まるで天から降る無数の雨のように、こっちの意思はお構いなしに、勝手に降り注いでくる。

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