星の砂 **海と空の秘密**


唇の感触が残るまま、私は電車に乗った。



「またな!」



海斗はそう言って、大きく手を振った。

私は再度、大好きなみんなと、大好きな海斗に手を振った。


ゆっくりと電車が動き出す。

その時、電車を追いかけながら叫んだ、海斗の『愛してる』を私は忘れない。


ホースを持つ海斗に水をかけられ、私たちは出会った。

空や雫とも仲良くなって、私たちはかけがえのない仲間になった。


だけど、4人ともアユミさんのことでたくさん苦しんだ。

私と海斗も、一度はだめになりかけた。


それでも、海斗は私を愛してくれた。

アユミさんとの唯一の遺物を海に投げ、私と永遠の幸せ、そして永遠の愛を誓ってくれた。

私は、これからも海斗を愛し続ける。

だから、今は一時の別れ。


さようなら、しおかぜ。

さようなら、夏。



窓から外を見ると、あの日、星の砂を投げ入れた海がキラキラと輝いていた。






〜END〜


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