星の砂 **海と空の秘密**


「どうして?」



空くんが、私の耳元で囁く。

今日の海斗みたいに。



「ごめんなさい。私、あなたの気持ちに答えることは出来ないの…!」



涙が出た。



ごめんね。

ごめんね、雫…。



「ここみ、何で泣くんだよ…。俺のこと、嫌いか?」



空くんが、私の涙を指で優しく拭った。



「ううん。好きだけど、そういう好きじゃないの…。」



その時、石垣に人の影がうつった。


その人を見たとき、私は息が止まった。

なぜならそれは……。




< 53 / 143 >

この作品をシェア

pagetop