星の砂 **海と空の秘密**
そして、私が放った言葉。
「選べないよ!選ぶなんて…。そしたら、どちらかを失うことになるんでしょ?私は、どっちも大事。やっと心を許せた仲間だから、どっちも失いたくないし、傷つけたくないの…!」
目の前の視界がぼやけた。
なぜか涙が出てきた。
私は、涙が溢れ出る目に両手をやり、その場にしゃがんだ。
すぐに海斗と空くんが来て、私の肩を抱いた。
傍から見たら、幸せ者かもしれないし、贅沢者かもしれない。
でも、この温もりを失いたくない。
大事だよ。
「ごめん、ここみ。でも、大丈夫だから。例えどちらかを選んだとしても、俺らの関係は変わらねーよ。選んだからって、失うわけじゃない。」
今日の海斗は、いつにも増して優しい。
年下なのに、私より大人だね。
「きつい決断させて、苦しめてごめん。でも、選んで欲しい。俺ら、真剣に言ってるから。もう、抑えきれねーんだわ、俺。真剣に応えて。」
空くんのその表情が、あまりにも切なくて、視線を逸らした。
でも、目をそむけてはいけない。
2人の真剣な気持ちに答えなきゃいけないんだ。
私は海斗の言葉を信じて、決断を下した。