星の砂 **海と空の秘密**
ハッと我に返った。
手の中には、写真と星の砂。
アユミが俺に残してくれた、唯一の遺物。
本当は捨てた方が良いのだろう。
でも、どうしても捨てられなかった。
俺の過去に触れたここみを、受け入れることが出来なかった。
そして、俺はあることに気付いた。
俺が手にしていた写真は、涙で濡れていた。
写真の中で笑う、俺とアユミの間に落ちた涙。
これは、きっとあいつの涙だ。
この写真を見て、お前は何を思っただろう。
つらかったよな?
苦しかったよな?
ごめんな。
なぁ、ここみ…。
お前は、今も泣いているんだろう?