Blue Moon
「⋯⋯そんなこと、ないわ⋯」
「お嬢さん。
気にしなくていいから少しでも寝るといい。
俺は、ちゃんとここにいるから」
ネオは、知っていた。
私がほんの少しの時間しか寝ていなかったこと。
ネオがどこかに行ってしまったと、少しでも思ってしまったことを⋯。
「⋯じゃあ、その言葉に甘えることにする」
「ああ、大丈夫。
俺はここにいるから」
その言葉を耳に残して、私はネオに寄りかかりながらその瞼を閉じた。
ガタガタ、と荷馬車の揺れる振動が心地よくて。
すぐ隣にいるネオの体温に安心して、私はすぐに眠りに落ちたのだった。
それから、私はネオに起こされるまでの数時間、ひたすらに眠り続けていた。
起きればそこは、土のにおいが混じる灰色の街だった。

