諸々の法は影と像の如し

 その部屋の傍の木の上で、惟道は息を潜めていた。
 外からでもわかるほど、眼下の本殿は清浄な空気に包まれている。

---やはりあ奴ら、ただ者ではないな---

 上手くいけば守道に穢れを付けることが出来たかもしれないが、やはり気付かれたようだ。
 小さな小石の僅かな穢れを感じる辺り、なかなか出来ることではない。

---部屋の中に入れた石も失敗か……---

 魔﨡が叩き落としたのは見ていないが、あの陰陽師二人がいるのであれば気付いただろう。
 ち、と小さく舌打ちし、惟道は章親が閉めた戸を睨んだ。
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