魅力的なアナタが好きです。
今話題のカフェや、人気急上昇中の喫茶店をピックアップして紹介する、喫茶店やカフェ巡り専門雑誌。
付箋の付いたページを開いてみると、思っていた以上にページを使ってくれている。
と、いうことは。
きっと愛読者の方達の目にも留まりやすいだろう。
【気軽に目の保養!美男美女揃いの喫茶店!】と大きく印字されている。
少しだけなら、と個々にスタッフのインタビューも受けたが、なぜか軽いプロフィールまでもが載っていた。
【アナタは誰推し!?】のテロップが添えられている。確かにこういうのが好きそうな若い女性の編集者だった。
彼女は神崎推しだろう、確実に。って、だからそんなことはどうでもよくて!
唯くんと神崎に雑誌を奪われ、特集ページを読み終えて満足したのか、そのまま桐野さんの手元へと戻された。
「風斗くん、都ちゃん……!こんな時に限って、」
「イベント事に弱いっすよね、風斗って。んで、都は身体がそんな丈夫じゃないから同棲始めてから共倒れ率高し、と」
「だからバイトの募集かけとけって俺前から言ってただろうが」
「今まで入った子達が問題起こしては短期間で辞めちゃってたから気が引けちゃって……」
「問題、ですか?」
「うーん。大まかに言ったら、対人関係、かな」
桐野さんが困惑の視線を神崎と唯くんに向けたが、ふたりともわざと視線を合わせていない。
そうだよね、対人関係って言っても一方的に押されまくってたからね……。
そんな事を考えていると、唯くんが棒読みな悲鳴を上げた。何事かと視線を桐野さんから唯くん、それから唯くんの視線の先へ。
PM11:26
大竹さんに他の珈琲豆の特徴や、美味しく飲むために欠かせない豆の挽き方等を教えていたら普段よりホールの掃除や備品のチェック等全体的に遅れていたのだ。
更にシフトについて考えを巡らせたり、雑誌の回し読みをしていたら、もうこんな時間になっていたらしい。
「あー、とにかく店閉めて早く帰った方が良いだろうな。幸い明日は木曜日で定休日だし、明日までに弟とかにバイト入れないか聞いてみるわ」
「ありがとう神崎、助かる……!」
「頼ならカフェ経験あるし愛嬌もあるし使えると思う。とにかく早く桐野を家まで送ってやれよ。もうかなり遅いしな」
「あ、うん!唯くんも神崎も気を付けて帰ってね……!着いたらライン頂戴!」
「おかんっすか」
「女子か」
店の戸締りを済ませると、僕と桐野さん、そして、神崎と唯くんとで各々帰路についた。
唯くんが真顔で右手の親指を突き出す。
神崎は目を伏せて呆れた様に首を横に振った。
だから、そういうのはいいから!!
付箋の付いたページを開いてみると、思っていた以上にページを使ってくれている。
と、いうことは。
きっと愛読者の方達の目にも留まりやすいだろう。
【気軽に目の保養!美男美女揃いの喫茶店!】と大きく印字されている。
少しだけなら、と個々にスタッフのインタビューも受けたが、なぜか軽いプロフィールまでもが載っていた。
【アナタは誰推し!?】のテロップが添えられている。確かにこういうのが好きそうな若い女性の編集者だった。
彼女は神崎推しだろう、確実に。って、だからそんなことはどうでもよくて!
唯くんと神崎に雑誌を奪われ、特集ページを読み終えて満足したのか、そのまま桐野さんの手元へと戻された。
「風斗くん、都ちゃん……!こんな時に限って、」
「イベント事に弱いっすよね、風斗って。んで、都は身体がそんな丈夫じゃないから同棲始めてから共倒れ率高し、と」
「だからバイトの募集かけとけって俺前から言ってただろうが」
「今まで入った子達が問題起こしては短期間で辞めちゃってたから気が引けちゃって……」
「問題、ですか?」
「うーん。大まかに言ったら、対人関係、かな」
桐野さんが困惑の視線を神崎と唯くんに向けたが、ふたりともわざと視線を合わせていない。
そうだよね、対人関係って言っても一方的に押されまくってたからね……。
そんな事を考えていると、唯くんが棒読みな悲鳴を上げた。何事かと視線を桐野さんから唯くん、それから唯くんの視線の先へ。
PM11:26
大竹さんに他の珈琲豆の特徴や、美味しく飲むために欠かせない豆の挽き方等を教えていたら普段よりホールの掃除や備品のチェック等全体的に遅れていたのだ。
更にシフトについて考えを巡らせたり、雑誌の回し読みをしていたら、もうこんな時間になっていたらしい。
「あー、とにかく店閉めて早く帰った方が良いだろうな。幸い明日は木曜日で定休日だし、明日までに弟とかにバイト入れないか聞いてみるわ」
「ありがとう神崎、助かる……!」
「頼ならカフェ経験あるし愛嬌もあるし使えると思う。とにかく早く桐野を家まで送ってやれよ。もうかなり遅いしな」
「あ、うん!唯くんも神崎も気を付けて帰ってね……!着いたらライン頂戴!」
「おかんっすか」
「女子か」
店の戸締りを済ませると、僕と桐野さん、そして、神崎と唯くんとで各々帰路についた。
唯くんが真顔で右手の親指を突き出す。
神崎は目を伏せて呆れた様に首を横に振った。
だから、そういうのはいいから!!
