俺は絶対好きにならない
もうすぐ七夕祭り
町に七夕祭りのポスターが張られ始める

いつも通り、もうすぐ七夕がやってくる

「七夕祭りか~」
昼休みにけんぞーがつぶやく

「今年も女子とはいけず、、、 」
サトも俺もけんぞーになにもつっこまない

「慶介は、七夕祭り嫌いなんだっけ
変わってるよな
サトは行くのか?」
「わかんね」
せっかくの祭りなのにとコーヒー牛乳を加えながら、他の男子のところへ混ざっていく

「もう、3年になるんだな」
サトは目を俺から外して言う

もう3年、、、

今日は久しぶりに下駄箱で出会って3人で帰る

ルイは町に張ってある七夕祭りに興味があるようで、あちこち見ている

「七夕祭りって花火も打ち上げるんだね」
「、、、うん」

七夕祭りに関して彩羽がぎこちなく、返事する

「2人は毎年、一緒に行くのか?」

俺と彩羽は何も言えなかった

「彩羽?けーすけ?」

2人の様子がおかしいのを感じたのかルイがのぞきこむ

「七夕祭りはいいから、テストどうだった?」

2期のテストが最近終って、順々にテストが返却されている

なんでもいいから七夕祭りから話をそらしたい

「テスト?
オレは、、、 
なんでもない」

こんなに急に話を変えるのは変だよな

そりゃルイだって気づく

でも、ルイは空気を読んで、理由も聞かずにテストに話題を移らせてくれた

「テストは、まあまあ、、、 
日本語、慣れたし、慣用句とかまわりくどい言い回しがなければそれなりにいけるようになった」
「ルイ、日本語になれるの早いよな」
「来る前にも、困らないようにちゃんと勉強したしな」

彩羽は何も言葉を発しない

ルイは時々、明らかに対応がおかしくなる俺たちについて詮索しないし、聞いてこない

それがありがたくて、助かっているというのが本音のところだ

七夕祭りは7月7日に毎年行われる
花火も打ち上げられて、結構盛大だ

思い出す
いつも3人で行っていた
彩羽が先頭で、俺たちは彩羽を見失わないように追いかける
あいつは出店が好きで、彩羽につられてお小遣いを使い果たす
俺はいか焼きで、彩羽はリンゴ飴で、あいつはわたあめを食べながら河原で花火を鑑賞する
家に帰ると、母親たちが女子会を開いていたり、父親は飲み会を開いていたりと楽しくて、わちゃわちゃしている中で俺たち3人は寝てしまって、3人ともそのまま俺んちに泊まるというのが小さい頃多かった

いつだって3人でいたんだ

駅についてルイと別れ、路地で彩羽と別れる

夏のにおいがする

もうすぐ七夕祭りがやってくる



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