俺様オヤジの恩返し
「……なんだか、嫌な気分にさせてしまったね。
無自覚なんだけど、助けてあげた相手をガッカリさせてしまったね。

ごめんなさい…。

私はあの店である程度働かないと、おばあちゃんになってからが……」


「おい!謝るなよ。わかってないだろ。
俺が、辞めろって言ったら辞めるんだよ!」


「……はぁ?西藤先生は、何の権限があって……」


「彼氏の権限!!」


なんですって?!

あなた、私の彼氏でした?

いつから?


「理恵子。仲間と話してたって言う『かぁわいい』の、発揮できるぞ?」


「いつの間に、名前呼びになってるの?」


「気付いてないだろうけど、理恵子はここに着いてから俺にタメ口だぞ?
バレて、話してくれる気になったのも……。
心を開いてくれたからじゃないのか?」


「まぁ、心を開いたというか、話しちゃったし、気が楽になった…。
でも誰にも言わないで」


「だから、辞めればもう関係ない世界だろ?」


「どうしてそこまで……」


「彼氏だって言ってるんだ、そんなの、好きだからに決まってるだろ、鈍感!」


「…はい?…鈍感?…好き?…彼氏?
……ぃやっ、何?………んんっ…」


ひゃあ……。
抱きしめられてキスされてるし。
この俺様、私のこと好きだって言ったよね?今……。
しかも…キス上手い。
あぁそうか。いつも気持ちのこもらないヤツばっかりしてるから、新鮮なんだ。



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