私は道化師-ピエロ-。
私たちは、他愛もない話をしながら帰っていた。


学校の校門を抜けて、しばらく歩いていると、


「雨足強くなってきたね…」


と真琴が傘から頭を少し出し空を見上げながらそっと呟いた。


「本当だー…よぉうし!真琴!今から家まで競走しない?」

「競走?…楽しそう!」

真琴は柔らかく微笑んだ。


「決まりっ!じゃあ行くよー!」


真琴は傘を畳んだ。

雨が私たちに容赦なく降り注ぐ。





「よーい…どん!」





私のスタートダッシュの声で、私と真琴は走り出した。


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