狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~

負のスパイラルⅠ

「ん……」


喉の渇きを覚えたアオイは薄く目を開き、はっきりしない頭を抱えながらフラフラと水が入ったポットを
探しながら自室を歩く。


定期的に冷水へと入れ替えられている銀のポットはキラキラと玉のような水滴をその身に飾りながら冷気を放っていた。


「お水…」


グラスに半分程水を入れ、口に運ぶと心地良い清涼感が体中を駆け巡る。


「……」


ふと室内を見回したアオイ。
徐々に覚醒していく意識がアオイの思考をまた悲しみの淵へと追いやっていく。


(ここ…お父様のお部屋じゃない…)


時計を見ればすでに日付は変わり、昨日は一度もキュリオと顔を合わせていないのだと気付く。




「…お顔を見るのも…っだめなの…?」




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