逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~
すべてを話して、沙耶の心の根底にある後ろめたさや、焦りのようなものが拭えたわけではないが、投げやりとは違う、そんな落ち着きが沙耶の中に芽生え始めていた。
「……沙耶。それは違う」
沙耶の話を聞いての第一声が、それだった。
基の大きな手が、沙耶の髪をかき分ける。
頬を撫で、後頭部を撫で、そして首の後ろに回った。
「……え?」
どういうことかと首をかしげると、基は形のいい唇に優しい微笑みを浮かべ、首を振った。
「俺は沙耶と一緒にいられて幸せだ」
そして基は、眩しそうに眼を細める。
「沙耶は?」