逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 唖然とする沙耶であるが、こういったときはどう断れば角が立たないのだろうか。


 そういったスキルを持ち合わせていない沙耶は、夫人に押されつつ「えっと」とか「いやでも」とか、お茶を濁し、目をパチパチさせるだけであった。


 そこでピンポンと、呼び出しのインターホンが鳴る。夫人の怒涛の攻撃がその一瞬、中断された。
 天の助けだ。


「あら、娘かしら。鍵を持っているはずなのだけど……変ね」
「そうなんですか? 私、見てきますね」


 とりあえず孫攻撃からは逃げられると、沙耶はホッとして玄関へと向かう。


「はーい。どちら様ですか?」
『藤塚の親族です。連絡をもらったのですが鍵を持たなくて』
「わかりました。今、開けますね……えっ?」


 なんの疑いもなく鍵を開け、沙耶は凍りついた。ドアの向こうに立っていた青年も、沙耶を見て固まった。


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