逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

「沙耶さん?」


 そこに立っていたのは甘く華やかな顔立ちの、優しげな青年。喜多島美鶴だったのだ。


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「まぁっ、美鶴、沙耶さんとお知り合いだったの?」
「ええ、まあ……」


 沙耶と一緒に和室に戻った美鶴は、沙耶が淹れたお茶を飲みつつ、困ったように祖母の相手をしていた。


(まさか喜多島さんがお孫さんだったなんて……。)


 沙耶も驚きである。

 すると美鶴が、隣の沙耶に向けて穏やかな微笑みを浮かべ説明する。


「祖母の長女である叔母が、学会で九州にいるんだ。みんなたまたま忙しくて、叔母から一番近くにいる僕に様子を見に行ってくれと連絡があってね」


 藤塚夫人には娘が二人と息子が三人いるらしい。美鶴は末娘の息子ということだった。





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