逆境シンデレラ~御曹司の強引な求愛~

 それからの展開に、沙耶は流されながら、何度も自分に問いかけた。

「これは現実なの?」と。



 伊織の呼びかけでやってきた潤は、一緒にメイクアップアーティストを連れてきていた。
 彼は潤の同級生らしい。

 あれよあれよと言う間につかまって、顔をじっと見つめられる。


「はーい、じゃあさっそくメイクするわねぇ……って、まさかすっぴん? わー、もちもちたまご肌ねぇ。羨ましい……」


 報告書や仕事道具は全てよそにどけられて、大きなメイクボックスが置かれた。

 一方潤は、抱えていた大きな箱からドレスをずらりと壁にかけて並べ始める。

 白いドレスから淡いピンク、ブルー、イエロー、グリーンと、どんどん出てくる。

 それを腕を組み眺めていた伊織は、カッと刮目して指を指した。



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