ただのジャンケンDeath(デス)
「ふ、ふざけんな!俺は帰るぞ!おい!そこのお前、そこどけよ。邪魔なんだよ!」




クラス一番のいや、学校一番のヤンキー。




不良の乱同 真(らんどう まこと)が僕に吠える。



ホントによく吠えるやつだ。



それにわざわざ僕のいる方向の扉に来なくても僕から見て右側の扉もあるのだからそれを使えばいいのに。




そんなことを思う。





まあ、こんなやつなほど裏表がなくて案外本心も他のやつよりかはきれいなんだけどな。



そう思いながらだまって僕は身をそらした。




「いいか?俺は帰るからな!そんなくだらねぇジャンケンなんぞやらねぇよ!」




ほんと~によく吠える。




まあ、ようするに怖いんだろう。



このジャンケンが。



なにしろ死亡という文字まであったし、仕方ないこと。



臆病なやつほどよく吠えるものだ。




乱同が教室の扉に手をかけた時だった。






モニターに明かりが灯った。
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