続・俺と結婚しろよ!
「やべぇ、Fだ」
近くのグループから声が上がる。
彼らだけじゃない。
控え室のみんなの視線を浴びていた。
そこにいるのは、いつものお馬鹿な彼らではなかった。
ライブやテレビで見る、カッコイイ彼らだった。
金髪を靡かせ、ダルそうに歩く優弥さん……いや、艶。
その後ろに、碧と酙が続く。
そして……
ドクン。
彼を見るだけで、胸が甘くときめいた。
黒いジャケットに、目深に被ったハット。
少し俯き加減で歩いている。
いつもはあんなにお馬鹿なのに。
変なことを言って笑っているのに。
今日はとてもクールで、なんともいえないオーラに満ち溢れていて。
いつもの賢ちゃんじゃない。
玄なんだと思った。