続・俺と結婚しろよ!






「怒られた時は、よくこの公園に来ていたなぁ」




賢ちゃんは優しい笑みであたしを見る。




「夕方散歩にくる、柴犬が大好きだった」




だめだ、胸がとくんとする。




「滑り台を逆さまに上ったり。

花壇でカブトムシの幼虫を探したり」



「咲良……」





賢ちゃんはすっごく優しい顔で、あたしを見た。

夕陽がそれを、真っ赤に染める。

なんだか落ち着かない。

胸がざわざわする。






「あっ……あたし!

あの草むらの陰に、三十点のテストの答案を埋めたんだ!」




無理矢理話続けるあたしを、




「咲良」




賢ちゃんは再び優しく呼ぶ。

その声があたしのアタマを溶かし、その笑顔があたしの胸を溶かす。




だめだよ、こんなところにいるのに、賢ちゃんが気になって仕方がない。




< 469 / 629 >

この作品をシェア

pagetop