続・俺と結婚しろよ!
「怒られた時は、よくこの公園に来ていたなぁ」
賢ちゃんは優しい笑みであたしを見る。
「夕方散歩にくる、柴犬が大好きだった」
だめだ、胸がとくんとする。
「滑り台を逆さまに上ったり。
花壇でカブトムシの幼虫を探したり」
「咲良……」
賢ちゃんはすっごく優しい顔で、あたしを見た。
夕陽がそれを、真っ赤に染める。
なんだか落ち着かない。
胸がざわざわする。
「あっ……あたし!
あの草むらの陰に、三十点のテストの答案を埋めたんだ!」
無理矢理話続けるあたしを、
「咲良」
賢ちゃんは再び優しく呼ぶ。
その声があたしのアタマを溶かし、その笑顔があたしの胸を溶かす。
だめだよ、こんなところにいるのに、賢ちゃんが気になって仕方がない。