君がくれたもの

進路



夏休みが明けて、一週間

あと4ヶ月で高校の自由登校が始まる。

それまでに決めないといけないこと、

それは進路だった。

これからの人生で1番大切なもの。

大輝と佐倉と相良が体育館でバスケをしているところを、

私と優香と亜美はステージに寄りかかって見ていた。

「…ねぇ、日菜子と優香は進路どうする?」

バスケをしている男子3人を見ながら、

初めて出た進路の話、

「…私は、幼稚園の先生。」

前を見据えて笑顔を浮かべた優香。

「なんで?」

と、私と亜美が問いかけると、

佐倉を目で追いながら、

「…怜奈ちゃんと直樹くんと遊ぶようになって私小さい子が好きなんだってわかったの。

だから、短大に進む。

亜美と日菜子は?」

私たちの方を向いて問いかける優香。

「…私は、看護師。」

亜美も笑顔で言っていて、

「…ここから電車で1時間のところに医学科の専門的な大学があるんだ。

私はそこに行きたいと思ってる。」

…電車で1時間…。



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