君がくれたもの

溺れるほどの愛を君に



18年後。

「行ってきます。」

「日菜子、行ってくる。」

「はい、2人ともいってらっしゃい。」

陽輝と大輝を見送って、

私はため息をついてから、

二階へと駆け上がって、

1番手前の部屋を思いっきりあけて、


「日向!あんた遅刻よ!早く起きなさい!」

今、16歳の華のJKになると昨日騒いでいた、

娘の日向を叩き起こした。


ガバッと飛び起きた日向は、

「あ〜!どうしよう!雄大に殺される〜!」

悲鳴をあげて私を追い出すと

直ぐに、ピンポーン、

「…はーい。」

ドアを開けると日向の彼氏、

「…おはよ、雄大くん。」

「…おはようございます。

…日向は今起きたばかりですか?」

クール系のイケメンさん。

「よくわかったね。」

「…声聞こえました。」

「え?本当に?ふふふ
中で待っててもらえたら直ぐ来ると思うわ。」

お邪魔しますと入ってきた雄大くんはもうこの家が慣れている。

その理由も、

「…あ、亜美と一平は元気?」

「お袋と親父、相変わらずです。」

まぎれもない2人の子供。

雄大くんにコーヒーを出して、私は庭に洗濯物を干しながら、

2人の姿を想像した。

きっと、喧嘩しながらも仲いいんだろうな。

そう思ってると、

ドタバタと聞こえてくる二階からの足音。


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