『N』ー忍びで候うー
帰り道、あたしはまた同じことを感じていた。



一花はいつも見てくれてる。

なんだかんだでちゃんと助けてくれる。



あれは、、



飲み込まれそうなほど赤い夕焼けの空を見上げた。



あれは、緊急時だったからで、キスじゃない。


引っかかっていたことがすとん、とちゃんと受け止められた。

不思議と頭痛も薄れている気がする。

「ずび、」



なんだか一花って、コーチのような、、
鎮痛剤のような、、

どんな役でもできてしまうんだなぁ。



『一花でよかった。へへ』

久しぶりに笑みが広がった。


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