『N』ー忍びで候うー
「放っといていいのかよ。」

「話は聞いただろう。」

「残党が腹いせに七花を襲ってこないとも限らないだろ?」

「頭首の指示だ。七花はもう忍者の任務を解かれた。俺たちと関わることはない。」

「しばらく隠れて見守るくらい必要だろ?」
先代が、いや、もう頭首だったな、じいさんが七花の任務を解いたと言っても、この間の女忍者たちは生きてる。お前、行かないでいいのか?」

「お前、いつに無くしつこいな。」

「は、俺の事はいいんだよ。それとも郷太に行かせるか?きっと喜んで行くぞ。」

「・・見張るだけなら、郷太でも同じだ。俺でもお前でも。あいつで問題か?」

「無いのかよ?」

次郎は鼻で笑った。

「郷太に取られるなら俺が行く。」

玄関へ歩み寄り、次郎は振り返った。

「いいんだな?」

「お前・・」





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