暁のプロポーズ
朝。

「おっっきっっろおおおお〜まぁさぁとぅ!!」

ゴシャっと音を立てて、
エプロン姿の凪が真人の上にダイブする。

軋むベットと吹き飛ぶ布団。

寝癖のついた頭に、はだけた白シャツの真人は苦悶の表情を浮かべる。

「ごふっ……。…痛いんだけど」

「おはよう!真人!」

その一方で、先の自分の行動を気にもせずニコニコと笑いかけてくる凪。

──そう。こいつはお構いなしだよな。
馬乗りにされつつ、そう思う真人。

「………おはよう」

半ば諦めた表情を浮かべつつ、朝の挨拶を返す。

「うん!朝ごはんとお弁当できてるよ!お仕事の準備も万端です!」

「…ありがと。でも、今日仕事休みなんだけど…」

「…?……………………‼︎」

首をかしげたあと、思い出したような表情になる。

──可愛い顔だな!全くもう!

「そういえばそうだったね!じゃ、今日はお家でのんびりしようかな」

「まぁ…どっちにしろ、俺はベットから出て着替えたいんだけど」

未だにのしかかられている真人は、そう言いつつも悪い気はしない。

──あー。今日仕事休みでよかった〜…凪メッチャ近いし可愛いし。

「んー…それもそうだね!よっと!」

そう言いながらベットからようやく下りた。
それに続いて真人も下りる。

はだけた白シャツを直し、落ちた布団も綺麗に整える。

「あー…ねむぃ…」
未だに目をしばしばさせつつ、きちんとシーツの端を合わせ、掛け布団を二つ折りにして元どおりにするその光景は、凪が毎朝見るほど好きな光景だった。

「じゃ…朝ごはん…」

そう言いかけ凪の方に振り向く途端、彼女が思いっきり抱きついてきた。

身長178cmの真人と155cmの凪。
凪はいつも腰に手をまわすように真人に抱きつく。

「んー!」

そのままグリグリと顔を押し付け、甘えたような声を上げる凪。

「…っぷは!………おはよう!真人!」

「さっきも言ったじゃねぇか。……おはよう。凪」

左手で彼女を抱いて、右手で頭を撫でる。

──あぁ…幸せだなぁ。。。

そう思いつつ口には出さない真人。

「あぁ〜幸せぇ〜」

優しく頭を撫でられ、幸せを口に出す凪。

愛しい人とのこのひとときに、
二人は同じ想いを抱くのだ。

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