ハイスクール・カンパニー


高校生は授業に出るべきだ。


「なんでだよ。高校レベルなら履修済みだし、やってることは分かってるって言うのに」ケンサクが反論する。


「けど、日本語の現代文や古典なんかは履修してないだろ?」と多樹。


伊都が、立ち上がった。

「だめ、だめ。無理です……ケンサクさん、土曜日私の家に来てください。弟達の勉強見るのと一緒に面倒見ますから」

教科書の内容を、口頭で説明するだけなら問題ない。

それは、ケンサクの言う通りだ。本人が言う通り内容を完璧に理解している。

けれど、定期テストになると話は別だ。

答案は、解答用紙に書かなくてはいけないし、なんと、今年から、英語での受験は認められていないってことになった。



「はああ?なんで僕がお前の家に?」



「このままだと、ほとんどの教科で赤点ですよ」伊都がきっぱりという。

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