ドSな王様ひろいました⁈
★想い人より、近くの王様
…この日以来、瀬名は毎日私の家にいる。私が仕事に行ってる間は、一体何をしているのか謎ばかりだけど。

…これまた、この日以来、一条社長とも、一度も顔を合わせて居なかった。

瀬名と瓜二つの一条社長。他人の空似にしては似すぎてる。世界には3人同じ顔の人がいると言うけれど。

週末まで、私は毎日のように残業続き、瀬名が先に家にいる事もあれば、私が先に帰る事もある。

金曜日。今日くらい定時に帰りたいものだと思っては見たけど、無理なんだよなー。

午後9時。やっと仕事を終え、オフィスを出て、エレベーターに乗る。

一階に降りると、…。

数メートル先に、瀬名に瓜二つの一条社長の姿。

…でも、あれは瀬名じゃない。瀬名だって、違うって言ってたんだ。信じるって決めた。

私は自分の気配を消すように、静かに一条社長の方を通り過ぎていく。

私の事なんて、とっくに忘れてるはずだ。冷たい男なんだから。

…ぇ。

私の動いてる足は、ピタリと止まってしまった。

…自分の手に視線を落とすと、長くてゴツゴツした手が私の手をギュッと掴んでいた。
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