セシル ~恋する木星~
でも、ひとつだけ言えるのは、山口にまた逢いたい、という気持ちがあるということ。
次の約束をはっきりしたわけではないけれど、山口に「また来よう」と言われたことがセシルは気になっていた。
単なる社交辞令だとは、今は思いたくなかった。
冗談かもしれないけれど、山口は何度も「好きだよ」と言った。
「セシィ」と、ずっと呼び続けた。
自分でも信じられない速さで、山口への気持ちがどんどん大きくふくらんでいっているのが、セシルにはわかった。