セシル ~恋する木星~
何からどう話そうか迷ったけれど、一番直子が心配していたことをまず話した。
キスまでの流れを一部始終聞いたところで、直子がゆっくりと口を開いた。
「やっぱりね」
「そうなると思ってたってこと?」
「うん」
「直子、軽蔑してる?」
「ううん、それはないけど……」
「けど……何?」
「いや、やっぱ、セシルだなって」
「どういうこと?」
「うん。結婚しても人間の本質って、そう簡単に変わるもんじゃないのね」
「うん、そうかも」