セシル ~恋する木星~
第27章 みなとみらいのホテルで


山口との約束の土曜日。
昼は幼稚園のママ友とランチ、夜は咲子と舞台を観に行く、と言ってセシルは家を出て来た。
夫はいつものように快く送り出してくれた。

セシルは約束の時間より少し前にホテルに着いた。
ロビーに向かっていると、後ろから呼び止められた。

「セシィ」

振り返ると、山口がにこにこして立っていた。

「山口さん、早かったですね」

「セシィこそ。今日は一段と綺麗だよ」

「そんな……」



< 139 / 201 >

この作品をシェア

pagetop