セシル ~恋する木星~
第34章 研ぎ澄まされる感覚


「セシィ、好きだよ」

山口の反則的な甘い囁きに、セシルの思考は完全に止まった。
山口の熱を帯びたような唇は、セシルの耳から首筋を何度も往復する。
思わずのけ反るセシル。
そして、山口の左手は胸へと伸びていた。

抑えようとすればするほど、声が漏れそうになるセシル。
ここ数年封印していた、自分の中の女性性が雄叫びをあげているようだった。
いったん火が点くともう止められない。一気に加速していく。



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