セシル ~恋する木星~
セシルはいつの間にか、うとうとしていた。
車のドアが外から開いて、直子に肩をたたかれて目が覚めた。
「セシル、大丈夫?」
「え? う、うん」
「途中から寝てたでしょ?」
「うん、そうみたい」
車から降りると、直子のそばで山口が笑っていた。
「寝顔、可愛かったよ」
「やだ、からかわないでくださいよ」
セシルは急に恥ずかしくなった。頬が熱いのは、酔っているせいだろうか。
それとも……。