唄姫
あの時

どうして心臓の音がしたんだろう…



その時の僕は、何も分からなくて、教室の窓から見える、海を見ながら考えてた……



「ちょっとーっ、イツキ!」


頭に響く高い声で僕を呼ぶ声。

コイツはリカ。


家の隣りに住んで居て、何かと口ウルサい。

「なんだョ?」


「あんたっ、あたしが貸したノートはっ?」


「あぁーっ、
忘れたーっ!!」


「どーすんのョ。提出、今日だョ?」


「取って来るョ…」



僕は、ノートを取りに帰るというより…



あの人を


見に行ける



それが、嬉しかった……



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